今日から新年度。
うちは、特に変わりないいつもの金曜日ですが。

入社式や人事異動など
今日から新年度!と特別な日である社長仲間のSNSや
ニュースで流れる新社会人の皆さんの緊張感あふれる様子
新しい年度に希望を託す熱っぽい報道をみると

やはり、春。
動き出さなきゃ!という気分になりますね。

ここ数日の暖かさで桜も一気に開花が進みました。

春ですね。

こんな日に少し思いを馳せることつれづれ。

今さらのように、「保育園落ちた、日本死ね」について
報道で蒸し返されていますが、これについて今さらながら私の思うところ。

まず、「死ね」とかいう言葉を人の親が使っているのを容認するネットの世界を
私は良いとは思わない。

それを国会で議論するのをはじめ
ネット上でさらに他者の意見を批判しあうような、そういう風潮そのものが嫌いです。

待機児童が多いのは保育園が少ないからではなく
保育士が足りないからだとか、
保育士の待遇改善が先だとか
女性の活躍を後押しするなら、すべての子どもが保育園に入れるように…

等々の議論が活発になるのは良いことだと思う。

ただ、この議論が一般的に見て「重要だ」「大切だ」と思うがゆえ
皆が同じように意見していてはいけない問題だと思うのです。

なぜか。

保育園が切実に足りず、職場復帰できなくて怒りを覚えているのは
基本的に東京の話です。

例えば、私の住む飯能市は、待機児童はゼロと断言されています。

もっと過疎化が進む地域では
子どもそのものが少なく、子どもの取り合いから存続の危機もあると聞きます。

日本の東京一極集中は、待機児童問題だけでなく深刻で
政治もビジネスも、今後の日本の未来を動かすであろうすべの人・モノ・リソースが
東京にのみ集まっています。

感覚的には「東京とその他」で事足りるような
一極集中があって

それだけ人が集まっているから
当然、保育園が足りないわけです。

少し前に話題になった「世界の駅の乗降客数ランキング」で
1位から23位まで日本の駅が独占していて
24位にようやくフランスのパリ、25位に台湾の台北が入ってくるという

「これ?世界ランキングだよね?」

というデータを見てみても

東京は、異常な過密状態にあるわけです。

参考までに、信ぴょう性疑問視されるとはいえ
非常に興味深い、ネットで話題のこのデータを一部抜粋するとこんな感じ。

【世界の駅の乗降客数ランキング】

1新宿(東京)
2渋谷(東京)
3池袋(東京)
4大阪・梅田(大阪)
5横浜(神奈川県)
6北千住(東京)
7名古屋(愛知県)
8東京(東京)
9品川(東京)
10高田馬場(東京)
11難波(大阪)
12新橋(東京)
13天王寺(大阪)
14秋葉原(東京)
15京都(京都)
16三宮(神戸)
17大宮(埼玉県)
18有楽町・日比谷(東京)
19西船橋(千葉県)
20目黒(東京)
21大門・浜松町(東京)
22上野(東京)
23押上(東京)
24パリノール(パリ、フランス)
25台北駅(台北、台湾)

世界で考えられない乗降客を
凄まじく複雑に入り組んだ路線図で数十秒単位で時刻表を組み
1分遅れただけでも、謝罪アナウンスが入り

事故や災害があって、どんなに人があふれかえっても
国民全体で静かに整然と並んで誘導に従い
乗客同士のトラブルやパニックも起こらない。

日々、誰もが整列乗車や優先を守る。

この国民全体の協力と、驚異的な日本の鉄道システムの発達によって
これだけ過密な人口密度を、毎日同じ時間に正確にさばくことができる。

これは奇跡的なことです。

でも、残念ながら保育園は
これと同じシステムで稼働は出来ない。

保育園や保育士が足りないのは
東京ではもう仕方ないくらい、そもそも人口密度が高すぎるのです。

ちなみに、人口密度を見てみると
正確なデータかどうか定かではないですが
ざっとみたところ

日本の人口密度は、348.72/km2
世界で32位だそうです。(世界の人口密度 国別ランキング)

これが、東京都でみると、6069/km2

1平方キロメートルに6000人以上いる計算です。

これが東京23区となると、14,895人/km2

1平方キロメートルに15,000人近くいるわけです。

満員電車も保育園が足りないのも
そもそも小さい面積に人が集まりすぎているから
当然の現象と言わざるを得ない気がします。

それでも人は、東京それも23区に集まる。

それだけ、東京に住むメリットがあるということです。

だから、「東京における待機児童」の問題解消に向けて
議論することは必要。

では、地方ではどうなのか。
「東京の待機児童問題」に口を出している場合ではないです。

やっとここで、話が戻りますが
私の住む飯能市は、待機児童はゼロと断言されています。

都心部へ通勤通学が可能な距離である、比較的地の利のよい郊外であっても
23区ほど切実に待機児童問題は聞かないです。

もちろん、希望の園に入れないとか
兄弟姉妹が別々になったとか
第2子3子の産休育休の際に、上の子の月年齢によっては
いったん退所しなくてはいけないとか

細かい問題はあるにしろ
全く入れないという状況にない。

さらに、東京より自然が豊かだったり
森林公園や動物園なども広大な土地で充実していたり
地域のつながりも強かったりと

子育てするにはよい環境が整ってもいます。

にもかかわらず、多くの地方自治体では
人口減問題が深刻で、特に若い世代の移住を呼び掛けたり
地域再生のための取り組みに躍起になっている現状。

それだけ、東京以外の土地に住む魅力やメリットがないということの
表れなんでしょうね。

若者が一人旅人感覚で僻地に移住するのではなく
若い世代、これから家庭を築き、子どもを育てていく
最もこの先の数十年、お金もかかれば、
子どもをどんな風に育て、教育を受けさせていくか
真剣に考えて、そのために仕事をしていく子育て世代にとって

保育園に入りやすいかどうかよりも
シビアに地方の経済状況を見極め、10年後20年後
さらにその先の仕事や生活に、具体的な未来が描けるかどうか

そう考えた時
安心してこの町で暮らしていける、そう思える要素が
やはりないんだと思います。

私自身、地域情報発信の仕事を10年以上やって
今現在も、地域密着型のお店をやっていますが

これが、地域の皆さんのお役に立って愛されているとは自負しているものの
地域の未来、つまり
人口増や若い世代の増加による税収増などに貢献しているかといえば、そうではないと思う。

地方はもっと真剣に
その土地で暮らし、仕事して、子どもを育て教育していくのに
ハッキリとしたメリットや安心感を打ち出せなければ
未来はないと思うのです。

地方自治体は、待機児童問題を傍観しているのでも
ウチは待機児童ゼロとか満足している場合でもなく

なぜゼロなのかを考える。

・子どもが少ない
・働く母親が少ない
・祖父母と同居もしくは近くに住んでいる場合が多い
・延長保育をしても、遠い職場だと間に合わないので、仕事を辞めてしまう

当然のように、子どもを保育所に預けて働こう!仕事を続けよう!
と、思える環境にないからではないでしょうか。

私が市立保育所でお世話になっていた頃
新しい保育所の完成に合わせて、土日祝の保育について
アンケートがあったことがありました。

結果的に、希望する保護者がほとんどおらず
市では、実施しないという結論になったそうです。

なぜ、希望がないのか。

私が思うに、

・土日祝は働けないを前提とした仕事をしている

からではないかと思います。

既に保育所に子どもを預けて仕事している人にアンケートをとったところで
そもそも、母親の多くが
「保育所に合わせた」仕事や働き方を選んでいて

そうでない人は、保育所に預けて仕事をするという選択をしていないのではないか
というのが、私の感じていた印象でした。

これが、夜遅くでも預けることが可能で
土日祝こそ仕事という親もいるのが当然の設定で
病児保育や民間サービスの併用といった選択肢があれば

仕事を続けたいとか働きたいという親も出てくるだろうし
この土地で子育てをしたいという人も増えると思う。

子育て世代を呼び込んで、住んでほしいと思うなら
まずは、選択肢を用意して
それを発信していかないといけない。

順番が間違っていると私は思っています。

企業誘致にしろ、観光振興にしろ
地方が誰に向かって、何を発信するべきなのか

これは、大企業とベンチャーがとるべき戦略が全く別物であるのと同じく
東京と同じ議題を論じていてはいけないのです。

日本の会社の9割が中小企業であるように
人口もまた、「東京とその他」と考えた方が、現実に近いわけで

中小企業や「その他」である地方自治体が考えるべきことは
大企業や東京都とは、違うのです。

ましてや、消滅可能性都市と言われるような地域においては
ベンチャーと同じです。

保育所問題一つとっても
「日本死ね」ブログを笑っている場合でも、国会での議論に野次っている場合でもありません。

真剣に頭を使って、自分たちの土地がとるべき戦略を考えて
それをターゲットに発信していかないと

国の発展には、地方活性化は有効ではない
結局、東京だけで結構事足りるよな・・・ということになってしまうと思うのです。

このあたり、地方に住んで地域密着型のビジネスをやっている人間として
地域活性化に未来がないとは言わせてはいけない。

真剣に考えないといけないポイントだと思っています。